TMA よくある質問集


いろいろなリコーダーが吹けないと駄目か
楽器は持っていないとだめか
リコーダーの種類
バロック式とドイツ式の見分け方
どんな楽器を買えばよいか
楽器の値段
楽器選択の方法

ルネサンスの曲
何故古楽ばかりやるのか

いろいろなリコーダーが吹けないと駄目か
 駄目ではありませんが、いろいろな曲を演奏しようとすると一つだけでは不便です。 リコーダーはF管とC管の二種類で各種の大きさがあります。大きい楽器の場合は ヘ音記号を読むことになります。 ソプラノだけと言うのは難しいです。ソプラノは高音楽器なので、合奏のときに 旋律部分を演奏することが多くなりますが、この部分はリーダー的な人が 演奏します。また、いろいろな編成の曲を演奏しますので、ソプラノが無い場合も あります。比較的入りやすいのはアルトかテナーです。

楽器は持っていないとだめか
 基本的なアルト、ソプラノは個人で持っていた方が便利です。他の楽器は 他のメンバーのを借りても出来ます。

どんな楽器を買えばよいか
 楽器の購入は難しいので、専門家に頼んだ方が良いでしょう。特に木の楽器は 値段も高いですし、長期間使うものですから、しっかりと選んで購入した方が 良いでしょう。最近は安価なプラスティックのものも良いものが増えています。 最初はプラスティックでも構いませんが、それでも専門家に選んで 貰った方が良いでしょう。ドイツ式の楽器は使えません。

リコーダーの種類
 先ず、運指の違いで、ドイツ式(ジャーマン式)とバロック式(イギリス式)の二種類が あります。ドイツ式は日本の小学校で多く使われているものですが、これは 出しにくい音があるので使えません。演奏家は必ずバロック式を使います。 大小いろいろあります。小さい方からクライネソプラニーノ(KSn)、ソプラニーノ(Sn)、 ソプラノ(S)、アルト(A)、テナー(T)、バス(B)、グレートバス(GB)、コントラバス(CB)が よく使う楽器で、夫々KSn, S, T, GB はC管、Sn, A, B, CB はF管です。つまり、 運指としてはC管とF管の二種類覚えればよいわけです。但し、B, GB, CB は 楽譜は通常へ音記号で書かれます。 S, A, T, Bの四本使う四重奏が基本です。これに追加して五重奏、六重奏などが 作られます。勿論それ以外の編成も沢山ありますが。

バロック式とドイツ式の見分け方
 楽器の型名に"-B""-E"などが付いていればバロック式、イギリス式の可能性が高く、 "-G"が付いていればドイツ式の可能性が高いです。下から3つ目の指孔、つまり右手の 中指の穴が4つ目、人差し指の穴よりも大きければバロック式、小さければドイツ式です。 小学校で使うソプラノはドイツ式が多く、中学で使うアルトはバロック式が多いです。


 最初からリコーダーを指定した曲はあまり多くありません。バロックの頃は フルートと言えばリコーダーを指している事が多く、また、フルートと 音域を同じにしたヴォイスフルートと言うリコーダーもあり、可成混同して います。 前期バロック以前では、楽器を指定しない曲が多く、ホールコンソートは レパートリーになります。ホールコンソートとは、同じ種類の楽器による コンソートのことで、ヴィオール、金管楽器、声楽、鍵盤楽器などの曲は リコーダー合奏のレパートリーになります。

ルネサンスの曲
 古典派以後の楽曲は一つの旋律に和声を付加する所謂モノフォニーが主体と なっています。そして、旋律も拍子のはっきりしたものが多いため、拍子に 基づいた小節線が全ての声部に通して書かれています。しかし、前期バロック 以前の曲は声部ごとに旋律の現れるポリフォニーの曲が主体です。この場合、 拍子は各声部が独立して持ちますので声部を通した小節線は引けません。 従って、小節線の無い楽譜になります。現在出版されているこの頃の楽曲は 強引に通した小節線を書いているものが殆どですが、タイを使った見難い 楽譜となっています。我々はポリフォニックな曲の場合は小節線の無い 楽譜を使います。

楽器の値段
 楽器は高い方が良い、安いのは駄目、と言うわけではありません。最近の プラスティックのリコーダーは可成良くなっていますので、Sn〜Bなら プラスティックのものもあり、安価です。例えば、
  S \2100
  A \3200
  T \5500
  B \38000
くらいです。また、木製のものでも国産でもあり、
  Sn \40000
  S \40000
  A \40000〜\100000
  T \70000
  B \70000〜\150000
  GB \220000
材質によっても値段は違い、また音色も違います。黒檀、グラナディラ、 ローズウッドなどの堅い木は値段が高く、梨、楓などの柔らかい木は 安いです。音色では堅い木ほどはりのある音がし、バロックなどの ソロ向きで、柔らかい木は音色も柔らかく、合奏向きです。プロの演奏家は いろいろな種類の楽器を持ち、曲に応じて使い分けますが、アマチュアは 予算の問題もありますので、目的に応じて買うのが良いでしょう。ボックスウッド(柘植)は ソロ、合奏にも使える中間的な材質です。 ただ、何度も言うようですが、必ず試奏をし、納得のいくものを購入することです。 プラスティックでも個体差はあります。木の場合は個体差も大きくなります。 自信の無い場合はプロに選択を頼んでください。 東京近郊の場合、銀座のヤマハ、山野、武蔵小金井の宮地楽器が年に1回 リコーダーフェアを開いていて、内外のリコーダーの展示販売をしていますので、 こういう機会に試奏、購入するのも手です。

楽器選択の方法
 先ずは正規の運指で全ての音程に酷い狂いが無いか調べます。このとき、 音程だけではなく、音色、音量も調べましょう。楽器によってはある音が 著しく音色が違ったり音量が違ったりするものもあります。ただ、これらの 違いは演奏時に容易に修正できる場合もあります。次にアルトで言うと 高いF(/01--45--)の音の出しやすさです。この音は出し難いものも多く、あまりに酷い ものは避けましょう。次にアルトの高域のCis(/012-4---)の音です。出し難かったり ダブルタンギングで反応の悪いものは避けましょう。ウィンドウェイは使っているうちに 広がる傾向があります。ウィンドウェイから覗いた時、リップが隙間の下側にある方が 使っているうちに音が出るようになることがあります。最初から良く鳴るものは使って いるうちに鳴りが悪くなるともいわれます。ただ、この辺りは専門家でないと見分けは 付け難いでしょう。

何故古楽ばかりやるのか
 一番の大きな理由は主宰者の好みです。でも、理屈をつければ、リコーダーが古楽に 適していると思うからです。リコーダー属は可なり昔に作られていますが、バロックの 頃に廃れました。大きな理由は音量だといわれています。元々余り大きな音が出せなく、 しかも音量を変えると音程まで変わってしまいます。これが横吹きのフルートに取って 替わられた大きな理由でしょう。古典派以降は殆どリコーダーの曲は無く、またオーケ ストラにも入りませんでした。ならば、リコーダーが流行っていた中世、ルネサンスの 曲が相応しいのではないかと言う考えです。この頃の曲は同種類の楽器で演奏するホール コンソートが盛んで、リコーダーに適した曲が沢山あります。